October 20, 2004

無痛分娩ルポ・その日の私「1」

あとあと、当時更新していたHPにアップするつもりで、
書き留めていた無痛分娩当日のルポです。長いです。
興味のある方は、ご覧くださいませ。
予定日の1週間前にそれはおこった。
ダンナさんは、仕事がら昼夜逆転することが多い。
私も産休に入ってからというもの、次第に就寝が朝の5時、起床が1時となっている。



「am5:00から8:00までのこと」

さあ、今日も会社勤めの時には考えられなかった時間になってしまった。
寝よう。
ダンナさんは、締め切りが重なって忙しい様子でこの時間になってもまだ仕事をしている。

  ピシャッ。 ん?ピシャッ。

下着がぬれた。これが破水なのかな?破水もいろいろあるらしいからなあ。
騒ぎ立てて、違ったらいやだしなあ。
ず〜っと水が出続けてくれるなら破水だと思えるのに。

なんだろう。みょうにピシャっと水が出たといえば出たけれど。
もう止まってしまったし……。

手元にある本や雑誌の体験談をのぞいてみたけれど、
破水のような気もするし、破水ではない気もするし。
おしるしがあったわけではないけれど、
おしるしなしの破水もおしるしなしの陣痛も
通り一遍ではいかないないらしいし。

しかも、今日は検診予定日。お昼にどうせ行くのだから、まずは眠ることが優先かな。
ナプキンでもあてて。

  ピシャ。ピシャ。

また出たよ……。

うーん。びしゃんびしゃん出続けてくれればいいものの、これって一体?
ダンナさんにちらりと伝えてみたけれど、
仕事が忙しくてそれどころではない様子。


「で、破水じゃないかもしれないわけでしょ?
だって今日行くことになってるんでしょ。待てないの?」

「そうなのよねえ。でも破水かもしれなくて違うとも断言できないのよねえ。」


何冊か本を見て、破水の可能性を確認して、一応電話。



「破水のような気もしますし、しない気もしますし。なにせ初めてなものですから
これが破水だか破水でないかがわからないのです。でもこんな風になったのは初めてで……。」

「それでは一応、入院の準備をして今から来てください。」


ダンナさんは、たてこんでいて出発はあと1時間待ってほしいとのこと。
すぐに出発してほしかったけれど、
水はとまっているし、ダンナさんが車を出してくれるのを待つことに。
なんとなく生理痛のようなお腹の重さがさっきからあるけど、これが陣痛の最初なのかな??
うーん、わからん。経験がないんだもの。

分娩当日にはなるべく平静を保ちたいと前からイメージしていた。
一応、予想以上に落ち着いた気持ち。


そして、病院に到着。車での道中も水は出なかった。
その事をつげるとベテラン風看護士さんは、じゃあ違うかもね。といった。

そりゃあここにくるまでに何回も水は出ていないけれど、
冷静だった分、永久脱毛処理中の残りのわき毛だってしっかり抜いてきたし、
あわてふためずに自分の状況を冷静に判断して来たつもりなのに。
そうやって、早合点扱いか。くそぉおう。



診察室に入ってまず問診。



「え〜と、ああ、あなたは本当は昼にくるはずだったのに今きたわけだね。
僕の診察ではこの間の子宮口の開きからいってまだなはずだけど……。」

先生は、いつでも自信満々。

「え〜と、ああ、あなたはビクスはやってなかったんですっけね。
ビクスやってない人はいい陣痛がこないんですよ。」

ビクス提唱者の先生に通院する身でありながら、
ビクスではなくマイペースにウォーキングをしていたせいか
いつも軽く怒られていた。今日もまたチラっとなにかいわれたのかも(かも、ということに)。
毎度のことなので、腹の立ちそうな助言は頭の隅。

看護士さんの指示のもと、いつものように診察台に足を広げた途端、
しょろ〜、しょろしょろ〜。

「キャ、先生これは出てますね。破水です。」

早速診断するもなにも、ふんふん、破水ですね。と晴れて認定。
ほらほらおらおら〜、やっぱり破水じゃーんと思う気持ちと、
と、いうことはとうとうこれから出産なのかという気持ちで思いは複雑に!

今日中に産まれるか、明日になるかぐらいとのこと。

今日から5日間ほどお世話になる個室へ案内され、病院服に着替えたら、早速手術室へ。
これから麻酔のしかけを作るのだという。



そこは年季の入ったスプラッタールームといった感じで、まさに手術室然としていた。
小さめのタイルが、さむざむしい。
でも、ここで毎日新しい命が誕生していると思えば、景観は気になるものではなかった。

仰向けになると、右には心圧計のようなもの、左には点滴。

早速、さきほど早合点扱いされた看護士さんが点滴の針をした。


「あら?爪きれいねえ。でもこれとれる?マニュキア。爪も長すぎるわねえ。」

とれねえよ。除光液なんて持ってきてないし。
そういえば、この病院でいわれてはなかったけど
爪は短くして、マニュキアはとるものだと聞いていたっけ。



「うん。じゃ点滴しよっか。」


出産という全てをさらけだすような場所だからなのか?
なぜ、初対面なのに、どうしてこんなに軽い口ではなしかけられるのだろう?
これまでやりとりしてきた看護士さんだったらわかるけど。
私のキャパシティって、せまいなあ。これしきのことは目をつぶるか。



「血管細いわね〜」ブスリ。



い、、、いたい。



このままこの針を固定されて1日過ごすのはきつそうだ。
伝えようかな、、伝えるのよそうかな。。。
痛いのに、痛いですということになんで痛い側が躊躇しなくちゃいけないのだ。



「あ、のう。ちょっと(つか、かなり)痛いです。」

「あら、やっぱり血管が細いのね、針をもうひとまわり細くしましょう。」



ぷすっとぬいて、もう1度違う針をブスッ。


え。え〜?痛いのは私の血管が細いせいなの?

私には、この目の前にいる、あなたが、あなたが最初から細い針を選んでくれてたらと思うのですが。

痛いのがとにかくイヤだというこのチキンハートが無痛分娩を選んだのだ。
点滴の針の指し間違えは、このおばちゃん看護士が思っている以上にうらめしいのだ。
多分、ベテランなんだろうけど、こっちはとくかく今日会っただけだし。
この病院の看護士のヒエラルキーなんて知ったことではないし。

あ〜。了見の狭い自分がいやだ。むかむかしてしょうがない。

あとになって思えば、
出産前の不安定な気持ちがやつあたりとなって
この看護士さんを普段以上にうらめしく思えたに違いないのだけれど。


そして、新しい針で点滴は終了。左上にかかったホワイトボードに


   ○○ ○子
   7:40入室



と記された。今日、出産までのメモ書きをここにされるのだろう。

その時。

『××さん来ました。』

他の看護士さんが顔を出し、ちょっと待っていてくださいとおばちゃん看護士も消えてしまった。
スプラッタールームで待つこと、15分。 ちょっと心細い。


「大変申し訳ないのですが、今産まれてしまいそうな人が来ちゃったんです。
それで、一端、お部屋に戻ってもらうことになります。」



実のところ、これからの流れがなにも頭に入っているわけではなく、
今戻らなければいけないことがどれぐらい大変なのかも大変ではないのかもわからない。
戻れというなら戻るまでだ。
ここで戻ったところで、私が大事にいたることはないはず。
そうじゃなきゃ困る!



個室に戻った。ダンナさんも、
いったい私が手術室で具体的になにをしにいったかわかっていなかったので
(その時点では私もよくわかっていなかった)
私が戻ってもキョトンとしていた。

これから長期戦になるらしいし、産まれるのは夜らしいし、
それまでこの忙しいタイミングにダンナさんを病院に置いておくのはなんだ。
分娩の瞬間だけじゃなく、陣痛も抑える方針の病院だし、
途中ダンナさんがいなくて困るということもなさそうだ。
クライマックスにきてもらうことにして、
とりあえず、帰ってもらうことにした。
長丁場になにかとつきあってもらうよりも、
ショートカットしてもらう方が私としても気が楽だった。

さてと。

これから今日、本当にこの大きな重たい体とさようならなのか。
この疲れる重たい体とさようならだなんて嬉しいような、嬉しくないような。

テレビがあるが、施術的にボタバラ(牡丹と薔薇)は見られるのだろうか。
見ないと、、、佳境なんだもの。見ないと。
それにしても、朝寝そびれたから、睡眠不足じゃないか。
興奮しているせいかな。寝たいような、寝たくないような。

うーん暇だ。


つづく





トイザらス・オンラインショッピング
468-60_swing


この記事へのコメント
はじめまして。
無痛分娩希望の主婦です。
出産記録読ませていただきました。
友人から無痛分娩について少し聞いたことはあったのですが
詳しいことは何も分からなかったのでとても参考になりました。
ありがとうございます。
もしよろしければどちらの病院でご出産されたのか教えていただけ
れば幸いです。


Posted by kyo at February 05, 2005 06:31
kyoさん
はじめまして!ご来訪どうもありがとうございました。
このルポ、続きをまだ書いていないのですが、
とっても楽しいお産でしたよ。
心も体も、お産を楽しめたので、
私はもし次に妊娠するとしても無痛を選びたいと思っております。
この病院ですが、無痛病院といったらココ!
ぐらい超有名病院です。1970年代から無痛ひとすじの病院ですから。
自由が丘にございます。検索してみてくださいね。
Posted by 茶花母 at February 09, 2005 04:26